今後現れることのないデザイン 「Porsche Design By IWC Ocean 2000」 Vol.2

時計

前回からの続きで

2000m防水(テストでは3200mまで計測)という途方もないスペックとPorsche Designによる今見てもすばらしいデザイン、IWCによる時計としての完成度の高さなどが見事に組み合わさったダイバーズウォッチとして最高の時計として紹介した記事の2回目です。

【ブランド】

ポルシェ911のデザインに関わったフェルナンド・ポルシェ率いるPorsche DesignとIWCが1978年に西ドイツ海軍の依頼によるOcean2000の開発のために提携したブランド。1995年にポルシェデザインが時計メーカー「エルテナ」を傘下に収めたことにより、提携が解消している。

当時、宇宙産業等でしか使われなかったチタニウムや航空機で使われていたジュラルミンなどのハイテクな素材を、小さな時計のパーツに加工するため、工作機械から作ることが出来るIWCと提携したといわれる。

【時計概要】

Ocean 2000は、磨きこまれたステンレスのような高級感も、デカ厚の存在感もないので、非常に人を選ぶ時計だと思います。ただ、この時計としての完成度や技術的バックボーンを考え、手に持って、その独特な存在感を感じると、もう手放せない時計となります。

42mmというこの時計のサイズは、販売当時非常に巨大なものでしたが、今見るとあまり大きな時計ではないです。それに非常に薄く、流線型であるため、シャツの袖口に引っかかるなんてことは、ありません。

チタンの鈍い輝きというのも魅力ですが、その輝きは、実は製造年代によって微妙に異なっていて、前期のほうがややグレーが強く、後期のほうが少し黄色みがかっている(少し金属っぽい)ように感じます。今手持ちの時計は、非常に新しい年代のものですが、前所持していたものより、少し金属感が強いと思っていますが、これが経年経過によるものなのか、硬化処理や仕上げが異なるためなのかは、よくわかっていません。

この時計の魅力の1つに分厚いサファイヤドーム風防があると思います。

3.4mmの分厚い風防は、それだけで圧倒される魅力がありますが、実は、この風防とケースとの間に、特殊な金属製のリングが挟まっていて、水圧が上昇した際のケースの熱膨張を吸収し、シーリングを維持し続ける技術が採用されています。

【ムーブメント】

※ネットで画像をお借りしています。

IWC製のCal.37521は、今も利用されてい続けているETAの薄型エボーシュの名器Cal.2892A2をベースに、セラミックビーズによるバリ取り、研磨をして、組み上げたムーブで、ポートフィノやマークシリーズでも利用されています。

また、ベースのETA2892A2は、IWCからタグホイヤー、オメガまで、多くのブランドが利用している薄型の高トルクのベースムーブなので、部品がなくなることは、ほとんどないと思います。
リューズからの日送りや針の操作感や手巻きは非常に軽く、ロレックスのような「シャー」っと巻いている感じや、高級機にあるような噛み合わせがガッチリした「ギリギリ」した感じもないです。「スーっ」とした感じで進むので、針合わせは、ほんの少し繊細な操作が必要。

【ブレス】

この時計は、デザインでもわかりますが、ラグが存在しないため、本体とブレスの境目がなく一体となっています。

裏面が平面でかつ非常に細かく作られているため、重量が分散しやすい設計で、本当に手首に沿うようにフィットしますが、これが歩留まりの高さにつながっていたようです。

裏も表面同様に梨地加工されているため、さらさらです。

また、この時計にはアタッチメントをつけて、ナイロンブレスを装着することが可能ですが、

それはそれで無骨でカッコイイ。

剛性感についてですが、手に触った感じですと、

第2世代のブレスが最もガチッとしており、専用の器具でかんたんにサイズ調整が可能ですが、

専用器具が必要なのと、接続を維持するためのバネ棒が少し弱いため、貫通タイプの第3世代のほうが安心感があるかと思います。

クラスプは、カチッと止まるタイプで、非常に安定感があります。

【まとめ】

普及価格帯で先進的なデザインに投資しにくく、クラシック・ベーシックな時計が多い現在において、このような近未来的なデザインと新しい機構の時計は、今後暫くはこの世に出る事がないと思われます。表面の硬化処理が未熟だったこともあり、傷つきやすく、きれいな個体を探すのは少し難しいと思いますが、気に入ったものがあれば、ぜひ手にとってもらいたい一品です。(現在の価格はこちら

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