何故この時計?
アトモスは、気温の変化をアルゴンガスが受け、ゼンマイを巻き上げる「空気時計」と呼ばれ、ジャン・レオン・ルターが発明、1928年に誕生した高級置時計です。(1936年特許)電池など一切使わず、気温変化が1度あるだけで、2日分巻き上げると言われているので、ほぼ永久機関です。ここら辺は、調べるといろいろ分かると思いますので割愛して、実ユーザとしての使用感や注意点を記載します。
【使用感について】
僕が所有しているのは、ロジウムプレート版のアトモスです。
文字盤が現行と違いますが、ガラス枠や文字盤・針の美しさで、一目で高い置時計と分かると思います。
下部の丸い円形のものがゆっくり左・右交互に回転することにより、上部のテンプを揺らし、時分を進める構造です。
左右の回転は、右30秒、左30秒で1分を刻むので、腕時計の振動数で考えると、120振動/時。
大変ゆっくり、それからとても静かに時間を刻みます。
(普通のゼンマイの置時計のようなチックタックな音はなく、ほぼ無音です。)
実際の精度ですが、僕の個体は週1分遅れる程度で、機械式としては非常に優秀と言えます。
流石、ジャガールクルト。
ガラス張りで内部の美しく磨かれた歯車を存分に堪能できます。
このためだけに買ったと言っても過言ではないです。
【注意点について】
最後に使用上の注意点を書きます。
・購入時は精度を確認
永久に動くということは、ほかのゼンマイ式時計と異なり、絶対に動いているので、目に見えるところにあり、時間がズレていると、気になります。
置時計は日本で不人気なので安く買えますが、精度が出ない個体に当たると、修理は10万位かかりますので、まず確認しましょう。
・置き場所について
下部の円が、ほぼ自由運動で動くので精度が出るためには、「平らな場所」「動かさない」ことが大切です。
もし動かす場合は、文字盤の下にあるロックレバーを左→右にスライドすることにより、振り子を固定できます。また、ガス抜けの原因となるので、高温な場所もNGです。
・発送などの運搬について
専用箱が必須などと書いてあるサイトもありますが、「嘘」です。
確かにあったほうがいいと思いますが、前出のロックレバーをきちんと設定しておき、ガラスを運ぶのと同等の丁寧さで運搬すれば、実体験上、問題なかったです。
・時間調整について
時間調整は、分針を直接動かすことで行いますが、「絶対にバックしない」ことが説明書に書いてあります。
少し気を遣えば、こんなに素晴らしい置時計はないと思います。是非参考にしてみてください。(現在の価格はこちら)
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